ご相談の中で、お客様がこのように言われることが何度かあった。
①友人がいないから、誰にも相談できない
②本音で相談できる友人はいない、表面上の付き合いだけ
大人は友人に本音で相談できるのか。「大人の友人」にまつわる話。ここから下は、加藤の個人的な経験と考え方です。
子供の頃〜30代前半までは、確かに「友人と過ごす」は大事だった。小学生の頃は公園や誰かの家で遊んだり、中学高校はテレビや学校の話題などしていた気がする。休み時間にバレーボールもよくしてた。期末テストの最終日はカラオケやマック、ケーキの食べ放題へ行った。夜は友人と何時間も電話して(携帯もLINEもない時代)親に怒られた記憶もある。
大学生〜30代前半(社会人)は、美味しいお店、おしゃれなお店でファッションや趣味の話から仕事や恋人の愚痴などしゃべり倒した。休暇は友人と旅行もした。旅行中は寝る間を惜しんでホテルの部屋で朝まで語り合った。青春。
友人と過ごす時間は、子供時代から大人になるにつれ徐々に「おしゃべり」重視になっていく。仕事の後、休みの日、旅行中、友人と会って美味しいものを食べながらおしゃべりするのは最高だった。
おしゃべりの内容は年齢を重ねると「仕事・パートナーなどの不満」なども加わる。深刻な内容というより「聞いてよぉ〜」と友人同士で不満を語り合って笑ってサッパリする、みたいな感じ。私も愚痴るし、友人も愚痴る。お互い様。
私はこのようなおしゃべりに40代を前に飽きてしまった。パートナーや仕事にちょっとした不満や愚痴はあるけれど、本気で離婚や退職を考えてるわけでもない。変える気がないことに、不平を言う時間がもったいないと感じるようになった。友人と一緒に過ごすなら楽しい話をしたい。
愚痴を言わないので友人の「聞き役」をするのは正直疲れる。お互い様じゃないもの。些細なことでも愚痴を聞くのはしんどい、根深い深刻な悩み相談は重い。だから「愚痴の聞き役」「相談に乗ってほしい」友人付き合いからは遠ざかった。
鑑定では誰にも言えない深刻な内容の相談を受けることは多い。相談料を払って信頼して依頼される仕事だからこそ、学んだ知識やこれまでのご相談で培った経験を活かして応えたいし親身になりたい。仕事だから真剣になれるのだ。
私はおしゃべりする友人付き合いをしなくなった代わりに「仲間付き合い」へシフトした。例えば趣味仲間、仕事仲間など。プライベートにはお互い踏み込まず、感じよく当たり障りなく関わる。この関係はとても楽だ。
「仲間」に過剰に期待すると関係がおかしくなる。よく聞くのがママ友関係。ママ友は友達ではない。子育てという共通の仕事仲間。親や子供にとって必要な情報交換や協力をする関係性。それなのに若い頃のような友人感覚の付き合いを期待するから拗れるのだ。仲間としていい感じのママ友付き合いをしたら、それがきっかけで本当の友人になれるかもしれない。そうなったらラッキー、ぐらいが丁度いいんじゃないかな。
深刻な相談を本音で言える大人の友人関係って本当に存在するのか。私はないと思う。大人は忙しい。仕事でもないのに他人の悩みを真剣に聞くほど、時間や気持ちの余裕はあるのか?ないでしょう。
最初に書いた①②についてご相談者様の「友人がいない」という状況、私は大人の人付き合いをしていたら自然なことだと思う。
悩みを打ち明けたいけれど「本音で言えない」「表面上の付き合い」なのは、友人がいないというより大人の人付き合いのマナーが出来てるからだと思いますよ。