【映画レビュー】アバター・ウェイ・オブ・ウォーター

年始にアバター・ウェイ・オブ・ウォーター(アバター2)を3D4DXで観てきた。行く前は3時間超の大作に、集中力続くか、おトイレは大丈夫か、などちょっと気になったが、始まったらあっという間。面白い映画でも、途中なかだるみすることがあるが、アバターは3時間超にもかかわらず飽きることなく楽しめた。

 

前作も当時映画館で観て、映像、特に青色の綺麗さが印象に残っていた。(ストーリーは全く記憶に残ってない、2を観る前に復習した)2は前回をさらに上回る圧倒的映像美。森の深い緑、空の青、海の碧、色に奥行きと透明感を感じる。加えて3D4DX効果で、すぐスクリーンの中に引き込まれた。ベタな表現だけど空を飛ぶシーンでは自分も空を飛んでるような、アバターの世界に身が溶けていく没入感。海の中を鯨のような巨大な海洋生物と泳ぐシーンは本当に気持ち良い。ベテランダイバーになった気分。癒し。映画の技術の進歩凄すぎ、と驚く。

 

ただ、物語の内容は愛・絆・家族・自然など全体的には感動的なストーリーではあるが、部分的には違和感でちょっとだけ興醒めしたところもあった。アバターの舞台は地球から遥か遠い神秘の星パンドラ。主要キャラクターはナヴィという地球人ではない生命体なのに、地球と同じような男性と女性のジェンダーロールが表現されている。女性的なキャラクターが焚き火の前でご飯の支度や幼い子供の世話をして、男性が釣りや狩りへ行く。地球人ではないのだから、雌雄の区別を無くしたり、地球とは違うジェンダーロール設定があってもいいのでは?

 

そしてこのストーリーに人間の強欲さ、を見せつけられた気がした。欲があるからこそ、人類は誕生した時から現代まで、知恵と工夫でいろんなものを進化進歩させている。医療とか農業とか、なんでも。その利益を享受してる。だけれど効率的に欲しいものを手に入れたいが故、他者の生命・財産を奪うこともある。他者、とは人類以外の動物や環境も含む。アバターの中では地球からとんでもなく遠い星パンドラで「若返りの薬」になる「あるもの」が発見されたことで、人間はわざわざ遠路はるばる略奪しに行く。地球規模に置き換えたら、資源や国土を奪い合う戦争みたいなもの。人間の強欲さと、無意識にもっと「今より良くなる」を求めてしまうことの怖さ。

 

この映画のストーリーは私は面白いと思わなかったけど、映像美とか技術の進歩を体感するには最高。観るなら映画館の大スクリーンで3D4DX バージョンを激推ししたい。