【映画レビュー】韓国映画・国際市場で逢いましょう

知り合いに韓国通の方がいて、韓国映画おすすめ作品をいくつか紹介してもらったので、年末年始にかけて、韓国映画を4本見た。韓国映画、ストーリーや演技が力強く、深い。沁みたんですけど、レビューが追いつかない。前回書いたのがタクシー運転手。

そして今回は「国際市場で逢いましょう」

「国際市場で逢いましょう」は朝鮮戦争〜現代までの一人の男性の生き様の物語。前述した「タクシー運転手」よりさらに古い1950年代。

主人公は朝鮮戦争の混乱で父親と妹と生き別れになった男の子。まだ幼い(多分小学生)のに、父親から「家長」として母親や弟妹を守るように託される。彼は自分のやりたいことを我慢して家族のために稼ぐことを優先。割がいいけど危険な仕事が待っている海外へ出稼ぎへ行く。

昔は、特にアジア圏は一人の家長に親族一同ぶら下がって生活するカルチャーがありますね。それができるほど稼ぎのいい仕事があったり、一人の収入が良かった時代とも言えるけれど。ドイツの炭鉱やベトナム戦争、朝鮮特需、命の危険がある仕事にしては給料が安すぎる、もっとはずんでもいいのでは。命がだいぶ軽い扱い。いや、どんなにお金をもらってもあんな怖い仕事はしたくない。平和っていいなと思わせてくれた。

この主人公は「家長」という役割を生き別れになる直前に父親に託され、ある意味、家長の呪縛から逃れられない。若い頃から、家族のために稼ぐ。稼ぐために危険な仕事もする。逃げる家長もいたと思うけれど、彼は逃げない。

家父長制度は「男尊女卑的」な側面を感じて私はとても嫌なんだけれど、家長だからと威張ってるだけではない、役割をちゃんと全うした彼の強さ、逃げない責任感、プレッシャーに折れそうな時も孤独に一人奮い立たせる様は心に打つものがある。

家父長制が成り立つ〜終わりかけの時代の、家族の良い面・悪い面と家長としての重圧・悲哀みたいなものを感じました。