親御さんに一考してほしい、子供の進路

大学生の就職相談を受けていると「大学生」であること自体に大きなプライドを持つ学生が少なくない印象です。しかし、その大学・その学部が、一般社会での評価では「有名大学ではない」「高偏差値の大学ではない」現実を本人はどこまで理解しているのでしょうか。

長崎の文系大学生が「大手コンサルに入りたい」「大企業や有名企業に就職したい」と夢を語ります。そうは言うけど、たとえば公認会計士の勉強をするなどといった努力はできない、とのこと。

現実的なことを言うと、いわゆる高偏差値、高い学力や努力を積み重ねてきた学生と同じ土俵に立つのは簡単ではありません。高偏差値の大学生は、大学名のブランドだけでなく、集中力や思考力が高いことの証明でもあります。

東大京大の学生とも話しますが、会話の中で賢いな〜って感じます。これは人間的な魅力や性格の良し悪しの話ではありません。高偏差値大学に入学できる学生とそうでない学生、差が出るのです。

一部の親御さんは「大学ぐらい行かせないと」「本人が行きたいっていうから」とどんな大学でも背中を押してしまう。場合によっては、奨学金という借金も作って。借金を背をわせてまでその大学へ通うことが本当に価値ある選択なのでしょうか。

一方で工業高校や専門性のある道を選び、早くから社会に出た22、23歳の方のご相談に乗る機会もあります。彼らは若いけれど、自分の身の丈や今の自分がやれることを理解し、現実を見据えて努力しています。

こういった方の親御さん「この子は勉強があんまり好きじゃなかったから」とおっしゃいます。これは子供の能力の否定ではありません。子供の「勉強は好きじゃない」気質を認めて、将来どうするか一緒に考えることができる親です。

いわゆる「学校のお勉強」が得意でなければ、早くから社会に出る選択の方が自立心や成長を育むのではないか、その方が結果的に幸せな人生なのではと感じることが多いです。

これだけ進学率が上がれば、「大卒」が普通になりすぎて価値はないと思います。大卒にとらわれるより、本人の実力や性格にあった進路を一緒に考えることが、親ができる本来のサポートではありませんか?

遊んで暮らしていける資産を残せる親なら、大学に遊びに行かせる感覚でもいいかもしれませんが、多数派ではないでしょう。

工業高校から建築会社に就職して数年の方の相談の中で。小さな現場の監督を任されて緊張してたけど慣れてきてやりがいをわかってきて、収入も満足している(これ大事)と言ってました。
話す内容が若いなりに自分で考え、話し方もしっかりしています。

勉強が得意な人は大学に行ってさらに知識を深め知識的に高度な仕事をしたらいい、そうでない人は進学より、働く・稼ぐ方が適材適所なんじゃないかな。

若い方と話しているとこのようなことを最近よく感じるのです。