占いは統計学、という言葉を聞く。統計学を辞書で調べたら以下の通り。
【集団現象を観察し分析する方法を研究する学問。集団の傾向・性質などを数値に算出したり、その表現方法を研究する記述統計学と、ある集団から、抽出した標本をもとにその集団の性質を数学的に推定しようとする推計学とがある。】
(参照:三省堂スーパー大辞林)
私も、占いに全く興味も縁もなかった頃は、統計学のようなものだと思っていた。なぜかというと、ある集合体を分析し、その中で共通点があるものをグルーピングし系統立てて占いの理論を形成するのだろうと考えていたから。そして、例えば輝かしいキャリアを持つ証券アナリストでさえ、株価予測が当たらないように、占いだって当たるか外れるか分からないのだから、それに一喜一憂するのは、なんだかよく分からないものに振り回されるようで嫌だなぁと感じていて、全く興味がなかった。
ところが、勉強していく中で四柱推命学の考え方の基本が「太陽と大地があり、自然エネルギーの循環の中に人間が存在し様々な影響を受ける」だと知った。人間の体、細胞のひとつ一つが太陽の光と大地の恵みによって作られているのだから、ある意味自然哲学だと感じた。四柱推命学とは普遍的な自然界のルールの流れに身を任せるってことか、とストンと腑に落ちた。それからは行動指針として四柱推命学を使うようになった。そして、鑑定した人数が増え、私の中のエビデンスも積まれていくと、人生の出来事に対する判断材料に四柱推命は使った方がいいと実感している。
太陽と大地があり、自然エネルギーの循環の中に人間が存在し様々な影響を受ける。この概念は陰陽五行論の世界観。四柱推命学を一言で表すなら、私は統計学というより、陰陽五行論というのが一番しっくりくる。
陰陽五行論は古代中国で生まれた思想。宇宙・万物・全てのものは陰と陽の相反する二つの要素があり、お互い作用し成立すると捉えるのが陰陽論。例えば天と地、太陽と月、男と女、左と右、上と下、など。そして、自然界には木・火・土・金・水という5つの気があり、お互いに助け合い、抑制することでバランスを保っていると考えるのが五行論。そして陰陽論と五行論を組み合わせたものが陰陽五行論です。
例えば「火」は太陽。太陽が地球を暖めてくれるから、人間や動物が暮らし、植物が成長できる。地球は365日をかけて太陽の周りを回っていて、毎日の太陽のあたり方の変化で四季が生まれる。季節の移ろいは古代の中国や日本のような農耕民族では農作物の成長=日々の暮らしにとって大変重要です。毎日の季節の変化を陰陽五行でまとめたものが暦であり、農作物の出来を推測するのが占いの始まりのひとつです。
人間が生きること自体が、5つの気の循環の中にいる。簡単にいうと、人間は食べ物と水が必要で、食べ物は太陽の光(火)と大地(土)と(水)で育った作物(木)を刃物(金)を使って収穫する。人体は陰陽五行で成り立っていることがわかる。そして春の桜が目に嬉しく、初夏の涼しい風が心地よかったり、夏の日差しでスイカが食べたくなったり・・・日々の生活で四季の変化は人間の肉体と精神に強い影響を与えているとわかる。
四柱推命学は生年月日と出生時間から、生まれ持った陰陽五行は何か、を暦を使って分析する。四柱推命学での人物分析を参考にすることは、普遍的な自然の循環の流れに乗っかるような気がして、違和感もなくスッと心に入ってきた。だから、私は四柱推命学が好きになった。